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地縛霊は孕ませたい!?

第1章 俺の子を孕(う)め








「…………」




ぼー、とする頭でゆっくりと重たい瞼を開ければ。
見えたのは、知らない天井。
消毒の匂い。
ピ、ピ、ピ
規則的に聞こえる機械音。


「真白っ!?」


ぐ、と。
握られた右手に力が入って。
安堵したように破顔する、最愛の人の顔。


「おばさん、真白目、開けたっ!!真白、真白」
「………」


呼びたい、のに。
薫、って。
声を出したいのに。
声が出ない。
口元にしてるマスクが苦しくて。
取りたいのに手が全然動かない。


「真白っ!?真白、わかる?」
「聞こえる?真白、俺がわかる?」


声も出ないし。
体も動かない。
なんとか右手を握りかえそうと、指先だけに集中する。


「真白!!おばさん、真白手、握ったよ!わかるんだよな?真白、聞こえるんだよな?」
「真白………」


大丈夫。
わかるよ。
聞こえるよ。
そう言いたいのに。
瞼がすごく、重くて目を開いていられない。
ごめん。
ごめんなさい。
もう少しだけ、眠らせて。






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