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地縛霊は孕ませたい!?

第8章 約束






薫が、死んだ。
そう聞かされたのは、あれから一週間たったある日のこと。
何度薫に電話してもコールすら、ならなくて。
何度チャイムを押しても誰も出ては来なくて。
さすがにおかしいと思っていたある日。
ママとパパが改まって険しい顔で、それを告げた。



あたしは。
薫が事故にあった交差点で、同じように車に轢かれたのだと。
それからずっと2ヶ月、眠り続けていたのだと。
一週間前のあの日、退院してきたばかりだったことなど全部、聞かされた。
聞かされたところで何故かどこか他人事で。
ボーっとしながらそれを聞いていた。





眠り続けた2ヶ月。





あたしにはその間時間が止まっていたんだ。






今もまだ、動き出すことなどないままに。
まわりの時間だけが、過ぎていく。












そしてさらに半月くらい、たった頃。




体に異変が起きた。






「真白?大丈夫?また吐いたの?」
「ごめん、あんま食欲ない」
「病院、行った方がいいかしら」
「うん、大丈夫」



食欲低下。
食べてもすぐに吐き気に襲われて、すぐに吐き出す。
食べられるものはヨーグルトとかゼリーとか。
そんなもの。
そのせいか貧血まで出てきて、学校にも行けてない。
事故の後遺症なのか、体調不良なのか、その判断すらもつかないまま、さらに半月すぎて。
症状は、さらに悪化した。
飲み物すら、あたしの身体は拒み始めたんだ。
水を飲んでも嘔吐が誘発されて。
口からはほとんどのものを受け付けなくなっていた。
さすがにこれはもう、病院に行くしかなくて。
青ざめたママと受診した病院で。
さらにママは、可哀想なくらいに顔を青ざめた。




「妊娠、してますね」









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