第60章 進化の現れ
貴方side
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2日目、今日は音駒との練習試合だ
けど、烏野はいつもの感じが出てなくミスが多かった
そんな中、一番変化を感じていたのは日向
ボールしか見えていない日向
先程から、いつもと違う威圧感を感じた
まるで、牛島さんに宣戦布告した時みたいな
そんな彼に悪寒がしたのか、空中で固まる東峰さんと日向はぶつかり合ってしまう
日向「ぶへぇ!」
東峰「うわぁ!?日向、大丈夫かぁ!?」
やはり体の小さい日向が弾き飛ばされてしまい、背中から地面に落ちる
烏養「ちゃんと周り見ろボゲェッ!!何のための声掛けだ!」
日向「す、すいましぇん…」
烏養さんには怒号をぶつけられシュンとし、ついでに飛雄にはいつも通り「ボゲェ!ボゲェ!」と怒鳴られている
…にしても今、日向はエース(東峰さん)のトスを奪おうとしたように見えた
完全に無意識なのだろうが
烏野に緊張が走る
猫又(鬼の子と雛ガラスに進化の時か…それがチームにとって、吉と出るか凶と出るか)
日向「なぁ、影山」
影山「あぁ?」
日向「ギュンのほうの速攻、俺……目え瞑んの、やめる」
貴「……」
全員「…え」
日向の突発的な発言に皆が固まる
影山「あ゛?」
日向「い、今のままじゃダメだ!俺が打たせてもらう速攻じゃ…ダメだっ」
影山「…それが出来なかったから、普通の速攻を覚えたんだろ。お前が何考えてんのか知らねぇけど、話なら後で聞いてやる」
必死な日向の願いも飛雄は蔑ろにしポジションに戻る
少なくともどちらの言い分もわかる
強くなる為に進化を求める日向
均衡を崩さない為にも現状が良いと考える飛雄
どちらが正解なのかはわからないが、これで進化を取るならばイバラの道に進む事になる
★★
ピピーーッ
25:18
結局音駒に負けた烏野は、ペナルティのフライングコート1周を始める
あの時感じたゾッと悪寒を感じる程の漠然とした「恐怖」
それは時折見せて来ていたが今回のは別格
このチームで静かに呼吸をする「怪物」に似たオーラ
日向は、進化しようとしている