第55章 赤点ボイーズ

貴方side


冴子「ヘイ、赤点ボーズ共。乗りな」



冴子さんは、そう言って烏野食堂と書かれてある車を指差す。




日向「たっ田中さんのお姉さんですかっっ」

冴子「冴子姉さんと呼びな。東京までなんてあっという間に届けてやるよ」


そう言うと、冴子さんはバチンとウインクを決めて見せる





日向・影山「冴子姉さん！！」


　


車の助手席には一番乗りで日向が乗った為、後部座席に飛雄と乗る




日向「…」

冴子「なんだよ、焦ってんのか？まぁ、その気持ちもわかるけど、回り道には回り道にしか咲いてない花があんだからさ」


日向「！おおっ～！！よくわかんねーけどかっけ～！」

冴子「アタシの運転でドライブできてんだから、赤点に感謝しろってこと！」




冴子さんってポジティブ思考だな





冴子「よーし、じゃあ行くよ！」

日向「はい！」　






けど、次の瞬間思っきりスピードで走り出す冴子さん







ｷﾞｭｲｲﾝｯ！！！





3人「！？！」





冴子「イエーイ！！」


日向「ぶっっ」


貴「っ！！」






ドンっっ






貴「痛っ！？」

影山「大丈夫っすか！？」

貴「っへ、平気」




冴子さんの運転は雑で豪快、さっきから左や右に体が思っきり揺れ車酔いしない私でもヤバい









ｷﾞｭｯ

貴「…っ飛雄?」

影山「……着くまで俺に寄りかかって下さい、俺が支えてるんで」　

貴「…ありがと」



ドアにぶつからないように、私を抱き締める後輩

おかげでぶつからずにすんでる


















★★





おまけ


日向side







数時間後…




冴子「！……ねぇ、翔陽」

日向「はい?」




冴子「後ろの2人って、付き合ってんの?」

日向「……え！？」

冴子「だって、抱き合って寝てるよ?」

　




そう言われ後ろを見ると、確かに影山と怜花さんは寄りかかりながらくっついて寝ていた

というか影山が支えてるようにも見える







日向「付き合ってはないと思います…怜花さんは分からないですけど、影山は好きだと思いますよ！」

冴子「へぇ、片思いかー」






鈍感な俺にも分かる位、影山は怜花さんの前でよく笑う