第48章 白鳥沢2
貴方side
牛島「及川はどこであろうと、そのチームの最大値を引き出すセッターだ。チームの最大値が低ければそれまで、高ければ高いだけ引き出す。それが奴の能力だ」
日向「…」
牛島「優秀な苗にはそれに見合った土壌があるべきだ。痩せた土地では立派な実は実らない」
日向「ヤセた土地?どういう意味ですか?」
牛島「?青葉城西は及川以外、弱いという意味だ」
貴「…っ」
徹以外を馬鹿にされたような言葉に、不機嫌になる
日向「……弱い…青城が”ヤセた土地”ならおれ達はコンクリートか何かですかね?」
そう言った日向の周りの空気は少し重くなる、なんかいつもと違う
牛島「何か気に障ったのなら謝るが青葉城西に負け県内の決勝にも残れない者が何を言っても、どうとも思えん」
ダダンッ
日向「!」
「すまん取ってくれー!」
開いていた体育館の入り口からボールが高く跳んできた。
牛島さんはボールをキャッチしようとジャンプした。
が
貴「…!」
ボールをキャッチしたのは日向だった。
日向は牛島さんより高く跳びボールをキャッチした
牛島「!!」
日向「コンクリート出身 日向翔陽です。あなたをブッ倒して全国へ行きます」
「コラー他校生かなー?勝手に入っちゃダメだよー」
日向「中見せてくれてありがとうございました。失礼します」
影山「あの」
牛島「?」
影山「及川さんが県内で最強のセッターなら、それを越えるの俺なんで…」
飛雄も力強く宣言する
2人は帰ろうとするが、疲れて動けない
貴「ちょっ、ちょっと待て!」
日向「怜花さん?」
貴「少し休ませて、私は中学以来まともに走ってないんだからさ」
影山「あ、す、すみません!……俺の背中に乗ってください。送ります」
…確かに、他校に居るより早く帰った方が良いな
立ち上がろうとすると
ガシッ
貴「!?」
牛島「……練習も終わった。疲れてるなら、体育館で休んでいけ。監督には俺から話しておく」
貴「え!?」
日向・影山「!」
いきなり何言ってんだ、この人!?