第14章 記憶の行き違いと炬燵
「…」
ほわ~んってなる…
「そうだろう…」
今この時間帯は…
グレイが何処からか出した…らしい炬燵に入って執務を行っていたのだけど…
「進まないんだけど…グレイ…」
「そうだな…」
ナイトメアなんか寝っころがってるし…やる気ないだろう…この上司は…
「そんな事は…「じゃあ、仕事しましょうか?」…君も仕事がはかどっていないじゃないか…」
確かに…
「何故か…みかんが食べたく…」
うん、これは危険なアイテムだ…
何か、こう…だらっとしたくなるような…一度入ったら出られない…そんな様なものな気がしてくる…
何処からか来た猫も炬燵の中にたくさんいる…
「だらっとしていたい…」
「疲れてんじゃないのか、お前」
「主にその疲れを作っているのはナイトメアでしょう…」
溜息をつくと少しずつ仕事を始める…が…
進まない…
「どうすれば…」
「最初から入らなければいいんだ」
なるほど…って
「ユリウス戻って来たんだ…」
「…仕事向きの机では無いな」
確かに…炬燵は仕事の時に入るものじゃないね…
ナイトメアはだらだらし放題になってるし…
「私は足を踏み入れなくて良かった。バカな芋虫にはなりたくない…」
「ば…?私はバカじゃないぞ!」
「もそもそごろごろしていて…」
ユリウス…結構ナイトメアに言うわね…
…で
「そういえば…さっきまで忘れてたけど、会議の内容って何?」
多分サーカスの事だろうな…
「そうだ…ジョーカーのサーカス、君も知識としては知っているだろう?」
また心を読んで…まあいいけど
「でも、催しで実際行くのは初めてね…何時間帯後なの?」
「それは…」
…
…
…
会議が終わって…
私とナイトメアは蜜柑を食べていた…
蜜柑という単語に懐かしさがこみあげてくる…
よく分からないけど、他の次元の私が蜜柑でなんかあったのかな?
「ねえ、ナイトメア…」
アリスは…大丈夫かな?
「彼女は帽子屋が付いてるから大丈夫だ…」
よかった…
でも、アリスは責任感が強い子だから…油断は禁物ね‥
「君は…」
ん?
「役持ちになっても変わらないな…」
「そりゃそうよ、私は私だから…アリスが私やみんなを置いていかなければ忘れる事はない…」
ってかこの蜜柑おいしいな…
グレイは終わった書類を他の部署に持って行ってるから少しかかりそう‥
そう思いつつ2人は蜜柑を食べ続けた…
