第14章 記憶の行き違いと炬燵
今の時間帯はアリスと一緒に秋の領土内の散策をしていた…
何でも…ブラッドのおすすめの美術館とかを案内したいらしい…
このリア充め…
まあ、それはおいといて…
紅葉が綺麗だな…冬の銀世界には負けるけど…紅葉も嫌いじゃない…
そういえば…ブラッドがハロウィンに私が必要って言ってたけど…何の事だろう…
分からないからいっか…
「あっあそこよスノウ!」
あ~あそこの美術館か…
絵が動くんだっけ…
因みに私は動く絵を見た事がある…
呪われている絵とか…叫ぶ絵とか…
ってか実際に入って教室移動までした事がある…
でも、この美術館の絵は違うらしい…
「可愛い…」
動物が沢山いる…
これが全部絵だなんて信じられない…
グレイも連れてくれば良かったな…
「スノウならきっと気に入ると思って連れて来たんだ…昔から動物が大好きでしょ?」
アリスありがとう…
でも…
「私…動物が好きだっけ…?」
「え…?」
アリスが困惑している…
私…何か変なこと言ったかな?
どうしよう…記憶が曖昧で小さい頃の事がよく思い出せない…
そっか…これが記憶が上書きされるって事か…
「クリスマスは?今私が付けているリボン…スノウがくれたのよ?」
ああ…それなら覚えてる…
「アリスは私に懐中時計をくれたよね?それなら覚えてるよ…」
「そう…それなら良かった…」
その後アリスは念の為に病院に行った方が良いと良い…
塔の領土内にある病院に連れてかれたが、原因は分からずじまいだった…
私自身は何となく覚えてんだけどね…
そのことはアリスには言わない方が良い…
こればかりは気づかれないようにしないとな…
アリスと別れた後…塔の顔無しの何人かが迎えに来て…帰って行った…
帰ると炬燵という初めて見る誘惑が待っているとも知らずに…