第7章 領土めぐり
「にゃはは…楽しかった…」
結局ピアスは何処かに逃げ切ったらしい…
でもボリスが居るって事は…
「ねえ、ボリス…遊園地の皆は?ボリス一人だけがここに残ったの?」
「うん、おっさん達はどっかに行っちゃった」
当の本人はけろりとしている…
ここの住人はその事を当たり前の事みたいな感じにとらえることが出来た…
「寂しく…ないの?」
思わず問いかけてしまう…
「ま、慣れてるし…今回は鼠と会えたから良いよ。それに、あんた達二人も居るし、な?」
アリスと私は目くばせする…
「こういう事ってよくあるの?」
「ん?引っ越し?そりゃあそうだよ…」
定期的に引っ越さなきゃいけないルールがあるらしい…
スノウは一度帰ろうとした時にナイトメアに言われた事を思い出した…
…定期的に出会わなければならず、定期的に撃ちあわないと進めない…
…それがルール…
この世界の正体や自分の正体を知っている今となっては割と普通に受け入れられた…
でも、ルールと分かっていても…時計塔と遊園地が無くなった事に関しては納得がいかない…
「私そろそろ失礼するわ…アリスはもう少しボリスと話している?」
「ええ…」
早く他の領土の皆に会いに行って塔に戻ろう…
そう思いハートの城に向かった…