第4章 舞踏会とゲームの終わり
気が付くと…真っ暗い空間の中に居た…
「何処…ここ」
周りを見渡すと…遠くの方に小さな光が見えた…
光りの先には…自分の家の庭が見える…
いつの間にか自分の鞄も足元に置いてあった…
今ならすぐにでも帰れるし…夢の世界…ハートの国に留まる事も出来る…
どちらを選ぶ事も出来る…
但し、ここにはアリスが居ない…
それでも…帰らなきゃ…
一歩足を踏み出すと…遠くから自分を呼ぶ声が聞こえた…
振り返ると…ユキとナイトメアが立っていた…
「久しぶりね、スノウ…」
「帰るのか?」
2人は私の事を心配してくれているのか、悲しそうな顔をしている…
「ええ…」
今の私には、この選択しか残っていない…
仕事中…父と母が自分の目の前で…しかも子供に惨殺された事を忘れてたなんて…
「貴方達は…酷いわ…」
大事な事を忘れさせるなんて…
早く目覚めなくちゃ…
責任は…償わないと…
「今帰ったら…復讐に囚われてしまう…」
そうかもね…
怒りにまかせてその殺した子供に復讐するかもしれない…
それでも…一度は戻らないと…
…
…
でも…この世界は何なんだろう…
「この世界の事が知りたい?」
「貴方はこの世界を何だと思っているの?」
この世界…
ルールで成り立っている…よく分からない世界だって事以外は分からない…
「…では、チェシャ猫お得意のなぞなぞだ…キング、女王、白兎、エース、時計屋、三月兎、帽子屋、双子の門番、チェシャ猫、ゴーランド、そして私だ…何人になる?」
え~っと…11人…いや、双子が居るから…
「12人?」
「そう…私達は常に争っている…だが、12という数字が欠けてはならない…」