第4章 舞踏会とゲームの終わり
私の時計は…あの日…
グレイと一緒にナイトメアを護衛しながら刺客を倒していた…
あの時間帯は…私の…いや、私達の時間…夜だったか…
魔力は有り余っているし…なりより塔の領土内だったから私達の有利…だったはずだ…
確か…その時のクローバーの国は塔、ダイヤの城、遊園地、帽子屋屋敷から成り立つ国だった…
‥それはさておき
結論から言うと、ナイトメアを庇って…拳銃に撃たれ…死んだ…
魔女という役は特殊で…ユリウスでも通常の2倍位直すのに時間のかかる時計で…
すぐにでも処刑人…エースに渡して回収して貰わないといけなかったんだけど…
私の時計は光り輝いて消えてしまった…
そして時計は微かに動きながら移動し…
そして…あちらの世界でとある2人の少女に生まれ変わった…
一人はアリスと呼ばれる能力を持った自分と同じ名前の少女に…
一人は親と同じ警察官を目指して勉強している少女に…
それぞれの少女にユキの時計を半分ずつ宿している…
ハートと時計をそれぞれ宿している…
そして、今の私は残像に近いけど残像でもない存在…
スノウともう一人のユキ…
「時計が戻るか二人のうちどちらかが役持ちになるか…そのどちらかの条件を満たさないと役持ちに復帰してゲームに参加する事も元の場所…二人の意識の中に帰る事も出来ないのよ…」
「そうだったのか…やっぱり…」
出来る事ならスノウに役持ちになって貰いたい…
彼女は覚えてないけれど、あの子は…この国に残ってほしい…
勿論アリスも…
でも…他の次元の私は違う答えを出してそうだよな…
まあいっか…
‥で
「ナイトメア…?」
「ユキ…君は…スノウに役を譲るのか?その意味を分かっていて言っているのか?」
「ええ…分かってる…でも、私の場合は…」
2人の内どちらかの一部になるだけだから…
「だが…」
ユキは微笑むとナイトメアの傍に寄った…
かつて…上司と部下の関係だった時の様に…
ナイトメアの手を握ると…
「あの子…スノウも私であり…私じゃない…もし…あの子が残ると決めた時には…あの子を…宜しくね…」
そう言うと…光の粒子になって消えていった…
それと同時に夢の世界に戻って行く…
目の前には横たわっているスノウの姿があった…
「ユキ…キミは…本当に最高の部下だよ…」
そう言うとスノウの頭を撫でた…
