第1章 始まりと白いウサギ

えっ?何で…アリスの事知ってるの?
まさか…この人…
「誘拐犯!?」
「違いますよ!!」
いけないいけない…思い切り指さしてしまった…
でも、不法侵入者では間違いないわね…
それにしてもアリスが好きそうなイケメンの青年だよな～
私は、興味が無いから仕方がないけれど…
「だったら何で、アリスの居場所を知っているの?」
「私の後を付いてきたからですよ…さあ、貴方も行きましょう…」
はあ?何言ってるの?こいつは…
「名前も知らない人についていく義理はありませんし、アリスは自分で探しますから…怪しい人は帰って下さい…」
そう言うと、いつもの鞄を取り出す…
こんなウサギ耳を生やした誘拐犯に捕まったのなら早く探し出さないと…
「全く…しょうがないですね…僕の名前はペーター=ホワイトです…」
ペーターというお兄さんが近づいてくる…
次の瞬間…お姫様抱っこされてしまった…
「なっ何?何するのよ!!降ろして!!」
「着いたら降ろしてあげますよ…貴方はアリスにとってそして…僕にとって…」
あれ…?この変質者の声が遠くなる…
「これは…夢だ…聞かなくていいんだよ…」
違う男性の声が聞こえる…
この声…何処かで…
「スノウ…貴方は私にとっても大切な友人です…なので、行きましょう…」
そう言うと、いつの間にか出来た穴に落ちていく…
…
…
…
…
アリスの居る…
Wonderful Wonder Landへ…
一度入ったらゲームの始まり…
元の世界に帰るのか帰らないのか…
その時、アリスと一緒なのか一緒じゃないのか…
体は帰れても心が帰れるのか…
帰りたいと…いつまで思えるのか…?
「さあ、ゲームが始まるよ…」