第1章 始まりと白いウサギ
落ちていく…
白いウサギの変質者に連れられて…
落ちていく…
「こんな死に方嫌だ!!!!」
「死にませんよ!!」
「だって落ちていってるじゃない!!!」
このまま落ちたら…
あれ…?夢だったら落ちても大丈夫じゃね?
「これって…夢よね?」
「いいえ、現実ですよ…」
早速、夢壊されたー!!!
「まだ死にたくない!!」
死ぬなんてまっぴらごめんだ…
まだ秋葉原に行ってないし…
新しく買ったソフトもクリアしてない…
まだやりたいゲームは沢山あるのに!!
それなのに、こんな変質者と死ぬなんて…
「もうすぐ着きますよ…」
今度こそ死ぬ!!
私は思い切り目をつぶる…
…
…
…
…?
あれ?痛く…無い…
恐る恐る目を開けると石造りの建造物…いや、塔の中に居た…
空の景色もきれい…
でも、一緒に居る人が変質者さんだとは…
「ねえ、何で連れて来たの?ここは何処?アリスは?」
「ここはハートの国です‥」
…ハートの国?
どんな国だ…聞いた事もない…
「冗談はやめて…」
こんな変質者なんかほっといて自分探した方が早そうだ…
「何処に行くのです?」
「アリスは自分で探す…」
行こうとするスノウを止める…
…
…
「ダメですよ…アリスに会いたければ、貴方もゲームに参加してもらいます…スノウ…」
そう言うと液体の入った小瓶を渡す‥
「これは?」
私は…この液体の中身が何か…知っている気がする…
でも、思い出せない…
「これは、ハートの薬ですよ…ゲームに参加するのなら飲んでください…」
ゲームか…
「ゲームなら仕方がないですね…」
アリスを元の世界に連れて帰る為なら…
そう思い…飲み干した…
「うわっなにこれ…苦い…」
「全部飲んだようですね…ふふふ…」
この男は…何が嬉しいんだ…
「貴方は…アリスと同じで…」
「そこで何をしている!!」
また別の人が出て来た…
「時計屋…ユリウス=モンレー」
ユリウスと呼ばれる人はスノウを見た瞬間急いで近づいてきた…
この人はまともそう…
「白兎…また余所者を密入国させたな…?」
あら良かった…変質者の国じゃなくて…
私だって人の事は言えないが…そんな国ごめんだ…
それで私は、何のゲームに参加するのだろう…?
「おい…?」
「へっ?」
急にユリウスから話しかけられる…
「お前…名前は?」
