第3章 夢と塔と日常
気が付くと不思議な空間に来ていた…
確か、ユリウスの部屋で寝ていたハズなんだけど…
夢…なのかな?
それにしては意識がはっきりとした夢だなぁ~
「誰かいませんか~」
一応叫んでみる…
やっぱり誰も答えないよね(笑)
…と思ってたら
「君は面白い子だな…スノウ…」
あれ?この声…どっかで聞いた事ある…
一瞬バクの縫いぐるみが付いたストラップが頭に浮かんだ…
「貴方は誰?」
「誰だと思う?」
このお兄さんは何処か神秘的な雰囲気を漂わせている…
夢の様なもやもやとした空間…
まさか…ナイトメア?
…のわけないよね!
そんなに単純な名前ではないと思うし…
と思っていると…
「正解だ…」
は?
私まだ答えてないよ!?
「ふふふ…私はナイトメアだから…」
理由になっていないって…
この人…人の心を読んだ?
「そう、私は君の心を読むことが出来る…」
「嘘…」
じゃあ、私がここに来た理由も知っているのか…
「ふふふ…さてね」
何かこの人…何かと濁す言い方するな~
これもゲームの内なのかな…?
「そうだ…キミはゲームに参加している…」
ゲーム…
私は…アリスを連れて元の世界に帰れるのかな…?
「…」
ナイトメアは無言でスノウを見つめる…
悲しそうな目で…
何で、そんな目で見るの…?
うぅ…頭が痛くなってくる…
「これは…夢だ…起きた後の世界も全部…夢なんだ…」
急に睡魔も襲ってくる…
「おやすみ…スノウ…」
「アリス…」
スノウは眠る…もっと深く…
…
…
「君もアリスも思い出さなくていいんだ…」
そうつぶやくとナイトメアが立ち上がった…
遠くから白兎がやってくる…
「スノウは…」
「眠っているよ…」
ペーターとナイトメアは悲しそうな目で彼女を見る…
「彼女は…まだ…」
「彼女は元の世界にアリスを連れて帰らないといけないと思っている…」
そう、彼女は帰りたいというわけではなく、帰らなくてはならないと思っている…
だから、薬が溜まらないと帰れない…
「アリスの様子はどうなんだ?白兎…帽子屋屋敷に滞在しているようだが…」
「アリスは…この世界に居てくれるだけで良いんです…スノウも…2人が幸せになってくれるのなら…」
「ふふ…私も少し罠を張らせてもらうとするよ…白兎…」
そう言うとナイトメアは消えていった…