第2章 この国の住民とアリス
「断る…」
…だと思った
「そんな事言わないで~」
「そもそもなんで私の所なんだ…他の領土を見て回ったのだろう?」
確かに他の領土を見て回って来た…
だからといってここに滞在したいっていう領土が無かった…
塔に居たいという理由もない…
でも、何となくユリウスの仕事に興味があった…
「時計屋さんの仕事に興味があるので、居候させてください」
「…好きにしろ」
そう言うと仕事部屋に戻っていく…
「ありがとう!時計屋さん!」
ニッコリと笑いかけると…
「ユリウスで良い…」
「へっ?」
いっ今、なんて言った?
「時計屋さんではなく、ユリウスと呼んでくれ…」
ユリウスが耳を真っ赤にしながら言った…
「はい!宜しく!ユリウス!!」
ユリウスの後を付いていった…
…
…
…
ユリウスの部屋は時計の部品であふれていた…
窓からは夜の景色が見えた…
「スノウはベッドで寝ろ…」
「えっ?ユリウスは?」
私がベッドで寝たらユリウスが寝る場所が無くなってしまう…
「毛布があるから大丈夫だ…」
大丈夫って…絶対に不健康そう…
ユリウスって仕事熱心そうだし…
机の上には実際に時計が積まれているし…
「私、毛布で寝る…」
「何を…」
スノウは毛布を取り出すと丸まって寝てしまった…
「はあ、全く…」
寝顔がとある人物と重なって見えたのか、小さくため息をつく…
すると、ユリウスはスノウをベッドに連れて行って乗せた…
暫く寝顔を見た後…仕事に戻って行った…
「アリス…一緒に帰ろうね?」
というスノウの声が聞こえた…