第5章 Tell me cute
それから私はこれ以上ないほど努力した。
まず髪を伸ばすためにはこのふわふわ髪質をどうにかしなくてはいけないので、貯金をくずして口コミで評判の高く値段も高いシャンプーとリンスを買った。
使い心地がきめ細かい泡がたってなかなかに気持ちよく、ほのかに甘い良い香り、これなら効果も期待できそう。
次に仕草を研究した。
あの女優は妖艶な色気とあどけない少女のようなギャップがすごかった。
私は見た目で勝負はできそうにないから難易度は高いが、大人っぽい色気の中にあるかわいらしい仕草ができるようになろうと、顔を赤くしながら彼女のAVをいくつも見て勉強した。
恥らい顔を隠すのも甘えるように相手を上目遣いで見ながら指を絡めるのも彼女の色気も相まってそそるものがある。
なるほど、と思ったもの、他にもネットで調べてみたりそういう特集がある雑誌を買ったりした。
ダイエットもした。
毎朝ジョギングや腕立てふせ、縄跳びをしてミネラルウォーターを大量に飲む。
ダイエットをすると胸から減ってくと書いて不都合だった。
クラスの女子に簡単な化粧の仕方を教わり、使わない化粧品を譲ってもらった。
事情を話すと「できることがあるなら何でも協力するよ」と言ってくれた彼女達のやさしさに甘えて、あの大人っぽい仕草を自然にできるようにレクチャーしてもらうようお願いした。