第5章 Tell me cute
ひと月が過ぎ、私の体には変化が出た。
ふわふわだった髪は肩につくくらい伸びて前と比べたらさらさらだしハネもない。
大人っぽい仕草も自然にできるようになり、峰田くんに「なんか最近エロいな」と言われるほどまでレベルアップした。
化粧もできるようになったし肌もすべすべに、身体はさらに引き締まり体力も向上したけど残念ながら胸は大きくならなかった。
まわりのみんなも「可愛くなった」「最近綺麗だね」と言ってくれた。
けど、それでもかっちゃんは可愛いと言ってくれなかった。
というか変化に気づいてないのかと疑いたくなるくらい無反応だ。
でも、もしかしたらもう少し頑張ればかっちゃんは可愛いって言ってくれるかもしれない。
可愛いと言われたい、その一心で今まで頑張ってきたけどそろそろ限界かもしれない。
「可愛いくなったねって言って」
涙を押し殺しながら呟いた声は空中に分散して消えていった。
諦めるにはまだ早いんじゃない?
ホークスが脳内で応援してくれたが、今日は睡魔に負けて何もせず寝てしまった。
夢は見れなかった。