第5章 Tell me cute
「お前昔からそれ好きだよな」
「うん」
「甘ったるいだけじゃね」
「かっちゃんは昔から辛いものが好きだよね」
「まあな」
「…」
「…」
…会話がまったく続かない。
今までどんな会話してたっけ?変に緊張して声が震えるし、どうしよう。
脳内にホークスの顔が浮かんできてハッとする。そうだ、こんなとこでへこたれてる場合じゃない。
昨日までに頭に詰め込んだ女子力を今ここで発揮しないと。
そして勢いよく振り向いてかっちゃんに声をかける。
「かっちゃん、私オムライス食べれないの」
「…は?」
「だ、だってヒヨコが可哀想でしょ?産まれてくることができないんだよ?」
「…何言ってんだ凛」
言い切った。と思い顔をあげるとかっちゃんは呆れた目で私のことを見てた。
「お前先週オムライス食ってたじゃねえか」と言われた言葉に恥ずかしくなってきた。
これ言うとイチコロって書いてあったのに効果はまったく無い。
泣きたくなってくるのを我慢して次の行動に出た。