第5章 Tell me cute
部屋に戻ってスマホを開くとラインにかっちゃんからメッセージがきていた。
内容は今日一緒に帰れなかった理由を問うものだった。
そういや一緒に帰れないから先帰っててと言ったけど理由は言ってなかったな。
さすがにかっちゃんに可愛いって言われるために相談してたの、なんて言えるわけもない。
とりあえず友達から相談受けてたことにしておこうと、慣れないスマホに文字を打ち込むが、それだけですごく疲れてしまった。
ようやくメッセージを送り終わるもののすぐに返事が返ってきた。
はやい、はやすぎる。また開いてみると明後日部屋に来ないかとお誘い文が書かれていた。
かっちゃんが私を誘ってくれた?いや、相手は何とも思ってないかもしれないけど。
初めてのかっちゃんの部屋、ということでなんだかすごく緊張してきた。
急いで返事を送り、ホークスにもメッセージを送る。すると数分後に電話がかかってきた。
「どうしたの凛ちゃん!?助けてって…」
「どうしようホークス。かっちゃんが明後日部屋に遊びに来ないかって誘ってくれてっ」
「ええっ??展開はやいな」
「なんかすごく緊張してきて・・・何着てけばいい?Tシャツにズボンって女の子らしさ0%の格好しかしたことがないしそもそも服なんて持ってない」
「服ないなら買いに行く?って言っても明日しかないだけど」
「!!ありがとうホークス」
ホークスとの電話は何時間も続き、さっそく明日に服や化粧品などを買いに行くことを決めたところで「そろそろ寝ようか」と怒られてしまった。
遅くまでごめんなさいと言って電話を切ったそのあとに送られてきたURLを開くと「これで意中の彼もイチコロ」と書かれた記事が載っていた。
すぐ実践できそうな女の子らしい仕草や私には難易度高そうな小悪魔テク、肌や髪のお手入れの仕方などありがたいことがぎっしりとつまっていて、ホークスにお礼を言うとすぐに熟読し始めた。
かわいい女の子達はみんなこんなにも大変なことをしていたのか。
尊敬するのと同時に羨ましがるだけでいた自分が恥ずかしくなってくる。
しっかりとした睡眠が大切と書いてあるのにも関わらずその日は朝までスマホと向き合ってしまった。