第5章 Tell me cute
「かわいくなりたい?」
「はい。私、可愛いって言ってもらったことがないから、そういうことを言ってもらいたくて」
「そうと言っても凛ちゃんは充分魅力のあると思うけどな・・・」
課外時間にホークスと連絡を取ることに成功し今は絶賛相談中である。
こういうことに疎いのでとりあえず大人の意見を聞いてみようと思い話した。
ホークスは電話越しでも真剣に考え込んでくれていて、「やっぱり爆豪くんはへたれやったんか・・・」と本人に言ったらガチ切れし所構わず大暴れし出しそうなことを言っている。
「男の子はどういう女の子を可愛いなって思いますか?」
「うーん。その女性がタイプに当てはまったときはドキッとするんじゃないな?それか、やっぱり努力する子とか?自分のために努力してくれるなんて悪い気しないしね」
「なるほど」
「あ、あと女子力が高いって好感度上がる」
持参したノートにメモがたまっていく。
やはりこの人に聞いて正解だったみたいだ。女子力うんぬんについては後で詳しく調べてみよう。
「それとほら。彼の好きなタイプとかないの?聞いてみれば?」
これは困った。かっちゃんに「どんな子が好き?」と聞いても「は?」の一言で片付けられるシチュエーションがはっきりと思い浮かばれる。
脳を働かせ最良の方法を推し量るものの特に良い案はでなかった。
「…とりあえず部屋さぐっちゃえば男の子なんだから何かしら出てくるよ!」
「それ、すごく不安です。…けど、やってみます」
「あとはそうだなあ、もっと美容にこだわってみたら?」
「美容?」
「凛ちゃんは素材がいいからね!磨けばダイヤモンドになるよ」
「ダイヤモンド?」
「よし、そうとなれば俺そういうのに詳しそうな子にいろいろ聞いてみるよ!あとで連絡するね。そんで必ずバクゴーくんをぎゃふんと言わせよう」
なんか最後趣旨少し変わってる気がするけど、なんだかこの人がついてると心強く、本当にできる気がしてきた。