第2章 merry you
「俺と結婚しろ」
「かっちゃんに夫や父親の役割が期待できません」
何度目かの散りゆくプロポーズ。
傷つかないわけではないが、俺は自他ともに認めるタフネスだ。
ぐっと息を飲み込んでじっと凛を睨みつける。
「ふざけんな、完璧にやり殺したるわ」
「ええ…」
凛をがここ最近よく見るようになった困った表情を浮かべる。
ここ最近雑誌では困り顔がかわいい!だなんだと取りざたされているのをこいつは知っているのだろうか。
散々ブスだなんだと蔑んできたが、世間一般から見ればこいつの見てくれは悪くない。
悪ければ結婚したい、抱きたい女性ヒーローランキングにランクインなんてしない。
大体、俺だって本当にブスだと思っているわけじゃない。
むしろ…まぁ、素直に口に出さなかった結果がこれなんだが。
凛をは深いため息をついて、そっとマスクを外した。
なんだよ、そんなに俺が嫌かよ。
言っとくが一連の浮気だってお前に嫉妬させたかった結果であって、あれ以来誰にも手を出していないし、なんなら元浮気相手たちからはこぞって事務所にお悔やみの手紙が届いたくらいだ。
あいつら俺がお前に振られる度爆笑してやがる。