第2章 merry you
「凛好きだ!!俺と結婚しろ!!!」
「結婚記念日が命日になりそうだから無理」
翌日から始まった俺の猛攻。
家で、仕事終わりの現場で、脇目も振らずにプロポーズを繰り返した。
もちろん、マスコミや市民らにはバッチリ目撃され、ニュースに取り上げられ動画を撮られ拡散されている。
恥も黒歴史もどうだっていい。
なんとしてでも凛にイエスと言わせてやる。
凛のことなんて好きじゃない。
この俺が、凛を好きなんてありえない、なんてガキみてぇなことを言ってる場合じゃねーんだ。
このままじゃ本当に凛は俺を見切ってしてしまう。
そんなこと許せるはずがない。
齢5歳から拗らせている恋心舐めてんじゃねーぞ。
凛はさまざまな理由を挙げてプロポーズを断り、マスコミは面白おかしく書き立てているが、関係ない。
何百回断られようが、何千回振られようが、諦めてなんざやるもんか。
こんだけ大々的に何度もプロポーズしてりゃあ、凛に言いよる男もいないだろう。ざまぁみろ。
「凛!!!逃げんなコラァ!!」
「本名叫ばないで!」
来る日も来る日も追いかけ回し、公安から苦情が来ないように仕事には支障ない範囲でプロポーズを繰り返す。
凛は未だに俺と同じマンションに住んでいる。
引っ越し活動もままならないからだ。
やがて一ヶ月が経ち、二ヶ月が経ち、三ヶ月が経つ頃には俺のプロポーズは3桁を通り越していた。