第1章 理想のペアとさつきたち
「ごちゃごちゃうるさい奴だな」
と、両腕を組んで言っていたハジメです。
「桃子ちゃん、ごめんね、天の邪鬼が」
「ううん、今のうちに封印して元の世界に帰りましょう」
さつきと桃子は一緒に呪文を言い、闇目を封印しました。闇目の封印は果たして、成功します。理想のペアはホッとし、さつきたちは喜び合っていました。
勢いでさつきとハジメが手を取り合いますが、急に恥ずかしくなったか、頬を赤らめ、手を離します。そんな2人に理想のペアと桃子は穏やかに笑っていました。
闇目の封印後、光の扉が現れます。さつきたちの暮らす世界へ戻れる扉のようです。天の邪鬼が先に光の扉の中へ入って行きました。
「丸井さん、木手さんのおかげで闇目の封印に成功しました。ありがとうございます」
さつきが言葉を終えたあと、理想のペアに頭を下げます。ハジメも桃子も深く頭を下げていました。
「あ、いや、オレたちは。あの妖怪を封印したのは、さつきちゃんたちだし。なあ、キテレツ」
「………」
丸井が振ってきたため、木手はメガネを片手で直し、
「はい」
と、言います。