第1章 理想のペアとさつきたち
「またいつ、会えるかわからないけれど、いつかまた会えたら、丸井さんと木手さんとテニスをしたいな」
さつきが瞳を輝かせながら理想のペアに伝え、手を振りました。
「さつき、ずりーぞ、オレがそれ言おうと思っていたのに」
横でハジメが言うと、さつきは目を細めます。
「えー、ウソー」
「丸井さん、木手さん、ありがとうございました。またいつか!」
桃子は笑顔で理想のペアにあいさつをし、お辞儀をしたあと、光の扉の中へ入って行きました。ハジメもお辞儀をし、桃子のあとを追います。
「あ、桃子ちゃん、ハジメ、待ってー。丸井さん、木手さん、じゃあ」
「お互い、それぞれの世界で頑張ろうぜい」
丸井がシクヨロのときによくするピースサインとウインクをし、木手は微笑し、さつきも笑顔で頷き、何度も振り返って手を振りながら光の扉の中へ入って行ったのでした。さつきたちがいなくなったあと、光の扉は消えました。
「木手、これでもまだ甲斐や平古場、田仁志が脅かしていると思っているのか?」
「…………………当たり前でしょう」
「じゃあ、何だよ、今の『…』の間は」