第1章 理想のペアとさつきたち
「あー!」
「キャー!」
ハジメの大声とさつきの悲鳴が聞こえ、理想のペアはラケットを構えます。
「今度は本当に闇目らしいな」
「またオレの影じゃないですか」
「言ってろい」
丸井は闇目に向かってサーブを打ちました。
少年のサーブをかわすため、闇目は再び姿を消します。そこを木手がサーブを打つと、闇目に効いたようです。姿を消したはずの闇目が悶えます。
「姿を消したとしても無駄ですよぉ。たとえ姿を消したとしても移動はそんな早く簡単にいかないでしょう」
「お、逃がさねえぞっ!」
また再び姿を消そうとしていた闇目に丸井はサーブを命中させました。
「おー、テニスの兄ちゃんたちつえーな!」
「ええ、闇目に攻撃が当たるなんて!」
「丸井さんたちすごい!」
さつきたちに褒められると、木手は鼻の頭を人差し指でこすり、
「天才的だろい?」
と、丸井はにこっと笑います。
「うん、天才!」
さつきは1本指を立て、にこっと笑い返しました。
「この調子で闇目退治だろい」
「田仁志くん、平古場くん、観念しなさいよぉ」
「まーだ言ってるよ……」
理想のペアが闇目にトドメをさそうとすると、桃子が待ったと2人を止めました。