第1章 理想のペアとさつきたち
「あの、すみません、ここってどこですか?」
「オレたち、妖怪を追っているうちにここに来てしまって……」
と、茶髪の後ろに三つ編みを1つ縛りした少女と黒髪の短髪の少年が、慌てた様子で理想のペアに尋ねました。
「ここか? ここはUー17合宿所だろい」
「テニスプレーヤーの集う合宿所です」
丸井と木手が答えると、藤色のピンクのリボンで結んだポニーテールの少女が口を開きます。
「そうだったのですね。さつきちゃんたち、ここは私たちの知らない世界みたいね」
ここで丸井たちはお互い、自己紹介をしました。茶髪の後ろに三つ編みを1つ縛りした少女が宮ノ下さつき、黒髪の短髪の少年が青山ハジメ、藤色のピンクのリボンで結んだポニーテールの少女が恋ヶ窪桃子、黒ネコの名前はカーヤとさつきが紹介します。
さつきたちは、さつきの母が遺した「オバケ日記」の情報を頼りに妖怪を退治していたところで、闇目(やみめ)という異世界の魔物を追っているうちに、別の世界すなわち理想のペアのいるUー17合宿所に来てしまったようです。
「妖怪って本当にいたんだな」
さつきたちの話を聞いた丸井は目を丸くし、
「信じられません」
木手は両腕を組み、首を横に振っていました。