第20章 Murderer / ▲▲
『おかしいな、今日もいない…』
いつもこの時間にいるはずの、あのアルバイトさんが今日もいなかった。何かあったのかな、転職でもしたのかな? そう考えていたら店長さんが声をかけてきた。
「あ、君! いつもあいつと良くしてくれる人だよね!」
『えっ? あ、は、はい…』
「実はー…」
私は、その場で荷物をばらまいてしまった。
ー えっ、うそっ…亡くなった?、なんでっ
「君、大丈夫? もう暗くなるから早く帰りなさい」
私は慌てて荷物を拾って、急いで家に帰った。
家に帰ると店長さんの言葉を思い出していた。
ー君が帰った後、あいつも帰って、翌朝家事で…
寝たばこ、だったらしい。
そう店長さんから聞いた。でもあの人はたばこを吸わないはず。
これは、偶然? 立て続けに私の周りで2人も亡くなった。
なんだか胸騒ぎで今日は眠れなかった。
次の日ー。
「何をやっているんだ!? 君は!!」
『も、申し訳ありませんっ』
仕事で、ミスをしてしまった私は上司に怒鳴られていた。
「まったく、今が大事なのは君も知っているだろう」
『ほ、本当に申し訳ありません…』
「なら、責任を取ってもらおうかね、」
上司は急に距離を詰めてきて、するっとお尻を撫でてきた。今は上司と2人きり。逃げれば確実にクビ。
『…や、やめっ』
ジリリリリ!!!!
少しでも抵抗しようとしたところ、館内に鳴り響くけたたましい火災報知器のベルが鳴った。
「なんだこの騒ぎは!」
「火事…?」
もしかしてと脳裏をよぎった。その瞬間ー。
「うわぁあああっ」
ー ……っ!!?
私が考えにふけってる間に、上司が目の前で燃えていた。悶えて動き回る上司。しばらくすると動かなくなる。
ー い、いや、…もう、いやっ…だれかっ…
震えが止まらない、煙が入ってくる、早く逃げなきゃいけないのに足が動かない。
そんな時、パリンと窓が割れる音がした。