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暁の契りと桃色の在り処 ー信ー

第14章 春の輪廻


『さん!』

「佐助くん!」

私が大きく手を振ると、その背後から謙信様と信玄様、幸村が現れた。
咲が湯呑みを受け取ってくれて、ゆっくりと立たせてくれる。
側に近寄ろうと歩き出すと、側に信長様が立った。

『やぁ、麗しの天女。息災だったかい? また会えて嬉しいよ。』

『、大丈夫か?久しいな。』

『よぅ、。腹出てきたなぁ。』

『幸、女性に失礼だよ。』

「皆さんお久しぶりです。今日はありがとうございます!」

『なんの、お前に会いたかったからな。
…信長、褥に戻っていいぞ。は俺達が守るからな。』

『信玄、貴様こそ褥にもどっていろ。』

『なっ!信長、貴様っ!』

「ちょっと、信長様!信玄様!幸も、刀仕舞って!」

『酒は用意してあるんだろうな?』

『あぁ、安土の新米で作った酒がある。』

『では参る。』

謙信様と信長様が先に歩き始めた。

「なんか…仲いいね。」

『あぁ、なんだろうな。気持ち悪い。』

『さぁ、その身重な体じゃ歩くのも辛いだろう?抱いてあげよう。』

「えっ、あの信玄様…?」

「抱いてあげよう。…じゃねーですから。あいつらの殺気が強くなるだけです。」

『いいじゃないか、ほらっ。』

信玄様は、躊躇なく私を横抱きした。

『わりぃ。。』

「あ、うん…。」

『おい、何してんだよ!』

『なんだ、豊臣!その言い方ぁ!』

「もう、歩けますから。」

『そうか。でもあの座布団だろ?君の場所は。すぐそこだ。』

結局、さいごまで横抱きにされた私は、ふわりと座布団に降ろされた。

『信玄、こっちだ。』

謙信様が呼び寄せると、信玄様は私の頬を撫でてから上座に向かった。

『なんかごめん。』

「佐助くん。私は大丈夫だけど…。びっくりしちゃった。」

『信玄様はすごく楽しみにしてたからね。まぁ、ああ見えて謙信様もだけど。』

『佐助、座れ。』

秀吉さんが声をかけた。
いつの間にか全員が私と信長様を囲むように座っていた。
咲は、私の真後ろで弥七さんと吉之助さんは、いちばん下座に座っていた。

『越後との久しい再会と…』

『の無事の出産を祈って。』

信長様が乾杯の一声を切り出すと、途中から謙信様が付け加えた。


『『…乾杯!』』






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