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暁の契りと桃色の在り処 ー信ー

第13章 虹色の縁(えにし)


ふぅ、長いため息のあと信長様が、何故か秀吉さんを呼んだ。

『…穢れの無い良い眼だ。秀吉ぃ。』

『はっ。』

『こやつをしっかり覚えておけ。』

『はっ。…何かありましたか?』

『輝真、歳は?』

『やっつ、…です。』

『三日後より、秀吉の御殿に行け。』

『えっ…』

ヒュー っと、政宗が口笛を吹いた。
私もだけど輝真くんのお母さんは、驚きのあまり口を開けたままでいる。

『秀吉、輝真の鍛練をしろ。十になるまでに一通りを教え、城へ連れてこい。』

「信長、…様?」

『輝真、貴様の命は少なからずも、我が奥方により助かった。これからは貴様の命、我が子のために使え。

三日後から、貴様の母が働いている間の全てを鍛練にそそげ。
この秀吉のに従い全てを習い身に付けよ。
十になり、城へ上がれ。これから、産まれる我が子の護衛とする。 よいな。』

信長様は、そう言うと羽織を翻し馬へ戻った。

「わぁー。すごい。びっくり。」

『はっ、あっ、ありがとうございます!なっ、なんと申したら良いか…』

『輝真。』

秀吉さんが、立ち代わるように輝真くんの前に立つ。

『俺が豊臣秀吉だ。三日後、一人で俺の御殿に来い。昼は、握り飯くらいは食わせてやる。

いいか、誰でもいいわけじゃない。御舘様がお前を選んだんだ。大変誉れな事だ。失望させるな。』

『は、はい。』

『秀吉さんの鍛練は厳しいよ。覚悟するんだね。』

『竹千代、貴様は弓を教えてやれ。』

『え、俺も?』

『では、俺は火縄銃を教えよう。』

『それは、早いだろ。俺も鍛えてやるよ。』

『では、戦術や兵法は私が。』

輝真くんのお母さんが、話についていけずにおろおろとしている。

「お母さん、輝真くんをこの子のためにお貸し頂けますか?
織田軍の武将達は厳しいですが、本当の優しさを知っています。必ず、強くお育て致します。」

『おっ、奥方様…。勿体のう、ございますっ。』

「輝真くん。おまもり大切にするね。赤ちゃん頑張って産むね。だから、輝真くんも鍛練頑張ってね。待ってるから。」

『うん。…はいっ!』

『輝真、思い上がるな。己を正しく見つめ嘘偽りなく生きよ。
俺は、今の貴様の穢れの無い魂を望む。

いくぞ、。』

「はーい。じゃね、輝真くん。」








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