第12章 限られた時間
『軒猿10、光秀の所が10か。じゃあ、俺の配下も少なくて悪いが5出そう。』
『政宗、張り合う所じゃないだろう!』
『でも、ほら。出産前の動けるうちに楽しませてやりたいしな。料理は任せてくれ。』
『じゃあ、俺の配下も5出しますよ。30の忍と、織田、伊達、徳川、あとあっちの武将も揃えば、万が一なにかあってもどうにかなりそうですし。』
『無敵すぎて、相手に同情するよ。』
『家康、佐助!俺はそういうことじゃなくて、友好とはいえ、安土の安全をだなぁ!』
『兄様、諦めろ。御舘様はやる気だぞ?
の楽しむ姿見たいだろう?』
『…まぁな。』
『では、五日後にと伝え申せ。』
『『『五日後!?』』』
『承知しました。では、また。じゃね、さん!』
『うん、バイバイ。またね!』
佐助くんは縁側から颯爽と消えていった。
「何、着ていこうかな。」
『揃いの小袖にしろ。』
「あ、いいですねぇ!」
『まだ寒いから、厚手の羽織にしなよ。』
『足袋もだぞっ!』
『兄様は、宴の心配をしろ。』
『野点のような形でよろしいのでしょうか?』
『の膝掛けが必要だろ…。馬じゃなく籠にしたいし。はぁ。三成、倉に行くぞ!』
『じゃあ、俺は厨で食材を見てくるわ。』
『さ、診察するよ。』
「咲、厚手の羽織一緒に選ぼう。」
『畏まりました。お部屋に出しておきます。』
『あ、信長様。』
私の脈を取りながら家康が話し出した。
『なんだ?』
『の腹が目立ち始めてきたので、天守の階段は危ないです。これからまだまだ子が育てば、足元が見えずらくなる。踏み外したら大変です。』
『まぁ、そうだな。』
『の寝所を、の自室に戻してください。』
『護衛とかは秀吉さんに相談します。』
『宴が終わってからだな。』
『あと、…出産はどの部屋を考えていますか?』
「私の部屋じゃ駄目なの?」
『だいたいは別に設えるんだ。信長様、どうします?』
「俺が寝ていた部屋にしろ。」
『…わかりました。準備を始めます。』