第9章 夢の続き
「う、あぁ。」
ドタン!
『『!』』
信長様は、駆け寄っていた弥七さんと吉之助さんを払いのけ、私に馬乗りになって首を絞めた。
『やめろっ! !腹の子が!』
家康の慌てた声。
「くっ、…かはっ。」
『さまぁ!』
部屋の準備をしていた咲が戻ってきて、叫んでいる。
『御館様っ!お止めください!がっ!
が、死んでしまう!』
『…おい、おめぇら。何があった!』
『政宗!』
『、!
秀吉さん、政宗さん!信長様を引き剥がして!
俺、一発やりますからぁ!』
『なっ!? 信長様、?』
『いいから、政宗来い!弥七、吉之助。お前らもだ!』
「うっ…」
あぁ、もうダメかも。そう思った。
気付けば、片手はお腹に、もう片手は首を絞めている信長様の頬を撫でていて、瞬きが出来ない両目から涙が溢れた。
「あい…て、る。」
あいしてる
そう言いたくても、苦しくて言えなくて。
信長様の頬を撫でた指先が、すうっと落ちていく。
一瞬、信長様は目を見開いて、絞めていた手の力が緩んだ。
『…?』
『いくぞっ!』
ガッ!
政宗と秀吉さんが両肩と腰を、弥七さんと吉之助さんが腰を掴んで私から信長様を引き剥がす。
「あ、はっ。」
『さまっ!』
『信長様、後免!』
ドスッ!
『…い、えや、す。…すま、ぬ。』
ドザッ。
信長様の溝落ちに家康が一発突くと、崩れ落ちるように信長様は、倒れ込んだ。
『!』
家康が血相を変えて駆け寄ってきた。
『咲、息は?』
『浅いですが、あります…』
咲が私を背中から抱き起こす。
『何やってんだよ、あの人は!
秀吉さん、信長様はの自室に。は天守に、連れていきます!』
「いえ、やす。」
『、大丈夫?ゆっくりと息を吸うんだ。すぐに診察をする。』
「の、なが、さまと、…いっしょ。」
『…っ、は?』
「はなれ、たく…ない。」
かすれた声で家康に伝えると、家康は驚いたように目を見開いた。
『なんでぇ?! あの人は今危ない!解毒してないんだ!また何かあったら!…今度はほんとに!』