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暁の契りと桃色の在り処 ー信ー

第8章 福を呼ぶのか、闇を呼ぶのか


政宗の用意してくれた小皿の甘味を少しずつ食べて、生姜湯を飲む。冷えてきた体が芯から温まっていくようだった。
信長様は寒くないだろうか。
きちんと食べて、眠れているだろうか。

ふぅ、と一息吐くと、傾く陽射しの中で吐息が白く変わった。見回すと安心できる顔ぶれが、優しく私を見詰めている。
見上げると、夕焼け色に染まりかけた青空だった。

早く会いたい。

そう思った。






愛する


夜襲の件、大事ないか。

貴様が泣いてはいないか、気にかかる。

家康、政宗、三成に城は任せている。
頼りになる奴等だ。
命を懸けて貴様を護るだろう。


体はどうだ。
食べているか
眠れているか

政宗、家康、三成と咲の言うことをよく聞き、暖かくして無理をするな

此度の出陣、早くおさめて戻る

そうしたら、産着を仕立てる反物を選ぼう。

幼名を考え、出産の話をしよう。

貴様の膝で眠り、貴様を腕に抱いて離さない。
二人で過ごす限りある時を大事にしたい

愛している

貴様の心の臓も血の一滴までもが俺のものであるように
俺の全ては貴様のもの

心はいつも貴様のもとに


織田信長




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