第19章 虹色の明日へ
『祝い酒を振る舞うよう話してあります。』
『あぁ。』
『城まで、またこの人だかり?』
『増えてねぇか?』
『あぁ、増えたな。』
『気ぃ、引き締めろよ。』
『あぁ、兄様。』
『光秀、ふざけるな。』
『ふざけてなどいない。兄様に着いていくぞ。』
『俺も。』
『…俺もです。』
『私もですよ。』
『おっ、お前達!』
『ふっ、ふえっ、ふぁー。』
『あぁ、そう様!』
「おむつかなぁ?」
『社に戻って替えさせてもらいましょうか。』
「そうだね。咲、湖都ちゃん。手伝って。」
『…じゃあ、俺も護衛に付いていく。』
『おっ、家康。湖都の護衛か?』
『ち、違います!奏信様の。…っ。輝真、お前も来い!』
『は、はい!』
奏信を抱き寄せて、社へ向かう。
家康をからかう政宗と光秀さん。
仏頂面になる家康に、苦笑いをする湖都ちゃん。
『家康、湖都ちゃん好きなの?』
『はぁ? なっ、なにいってんの?馬鹿じゃないの、あんた!』
『家康、奥方様に馬鹿とはなんだ!』
「え、照れてるの?」
『あぁ、煩い!』
『竹千代、手を付ける前に言え。』
『なっ、違います!』
『様、お早く。こちらです。』
「はい、今行く~。」
神社の境内の木々から射す木漏れ日が、神聖な空気をきらきらと輝かせる。
一通りのおむつかえを終えて出れば、大好きな人達が待っていた。
『さて、帰ったら箸揃えと宴だな!』
『輝真は、このまま帰れ。信長様から許しを得ている。明日から城勤めだ。母と一緒に今日は過ごせ。な?』
『さすが、兄様。』
『うるせぇ。』
『宴の料理は後で届けさせるからな。』
『良かったね。』
秀吉さん、政宗、家康が声をかけると、輝真くんは、頭を下げた。
『ありがとうございます。』
「輝真くん、明日から宜しくね。」
『はい!』
『よし、戻るぞ。お前達。』
『『ははっ。』』
隊列がまた整い出す。
目の前は真っ赤な鳥居。
ふっと、私は振り返って神社のお社を見た。