第2章 ふたりでひとつ
突然、方向転換して裏口に向かう信長様に驚いた秀吉さんは、慌てて場内に走り出す。
少しだけ愛馬を走らせた信長様は、また城門に戻りはじめた。
『まいたか?』
「えっ、わざと秀吉さんを裏口に向かわせたんですか?」
『知恵比べよ。』
「もぉ、叱られちゃう。」
『貴様もな。一心同体だろう?』
「そこも?!ずるーい!」
私が笑えば、貴方も笑う。
天下を掌握する魔王も、私の前ではただの愛しい人。
分かち合い、補い合う。
喜びも
悲しみも
痛みも
苦しみも
光も
闇も
貴方と私の全てを。