第28章 ○幼なじみの恋人と / ※甘裏?
はぁ〜癒月さんに見られちゃった。
カッコ悪いところを。
悲しそうな顔で僕を見て、かっちゃんに連れていかれる姿。
僕なら、そんな顔させないのに。
そんな淡い感情を抱きながら窓から放り投げられたノートを探しに外へ向かった。
小さい池に浮かんでいた、ヒーローノート。
焦げ後と水浸しになって無残な姿になっていた。
また、はぁ、とため息を溢すと、どこからか声が聞こえた。
僕は気になって、その声のする方へ足を伸ばした。
『…っはっ、やぁっ』
「…っく」
その声は、僕の憧れている人の声だった。
どう聞いてもそれは喘ぎ声で、相手は見なくてもわかる。
かっちゃんだ。
僕は、見てはいけないとわかっているのに、好奇心で覗いてしまった。
「はぁっ、はぁっ…」
気がつくと一部始終というかほぼ全部見てしまっていた。
あんな、あんな淫らな癒月さん。
我慢なんて出来なくて、僕は気がついたら下半身に手を伸ばして自慰していた。
綺麗な髪を振り乱しながら、時折見える潤んだ瞳と唇。
ほぼかっちゃんと同時に僕も欲を吐き出していた。
その場に座り込む癒月さん。
その姿は誰かに犯されたような姿で見ていられなかった。
僕が癒月さんと親しくしたから。
するとかっちゃんは何故かその場を離れた。
信じられなかった。
あの状態の癒月さんを置いて? 帰ったのか?
僕は、身なりを整えると癒月さんに近づいた。
「癒月さんっ!」
『っ⁉︎// み、緑谷くんっ⁉︎///』
慌てる癒月さんも可愛いなと思いながら続ける。
「…だ、大丈夫?」
『う、うん、大丈夫っ// ありがとうっ// でもどうしてこんなところに?』
「…へ!?、あ、えっと、ノ、ノートを探しに来てたら見かけた、からっ」
『そう、なんだっ、ごめんね…もっと早く私が来てたら良かったのに…』
「そんなことないよ!」
僕が大声を出してびくっとする癒月さん。
「…あ、ご、ごめんっ、大きな声出してっ、そ、そう言えば座ったまま、だけど立てる?」
『あ、え、えっと…ごめん、ちょっと立てなくて』
手貸してくれる?って言う癒月さんに、僕はドキッと胸が高鳴った。