第30章 その計画は最初から破綻している
***聴視点***
さて、こいつらどうしよう…。
私が召喚した破壊王によって、完全にのびた男が6人できあがった。
ちなみに、その生成に私はまったく手を貸していないものとする。
「手応えのねェ…。聴が狙いなら、少しは楽しめるやつがいるかと思ったが…。とんだ期待外れだな」
もっとも、破壊王は消化不良らしい。
私としては、満足させられるレベルが来ても困るので、是非ともこのままでお願いしたいところだが。
「で、こいつら何モンだ?」
『んー、聖陽教の過激派ってところかな』
聞き出せた情報を元に推測を口にすれば、紅の眉間に皺が寄り、こちらを見つめてくる。
『浅草を出てからずーっとつけられててね。第8の2人と別れたらコレだよ』
やれやれとため息を吐きながら、首を軽く横に振った。
「おめェを人質に、理不尽な要求をのませようって腹か」
『何を要求するつもりだったかは謎のままだけどね』
「どうせロクなもんじゃねェ」
うん、だろうね。
「ここが浅草なら生かしちゃおかねェが…」
いやいや、紅さん?浅草だったとしても、半殺しで止めようね?
『下手に騒がれるのは面倒なので…。嫌がらせだけして、様子を見ますか』
ニヤリと笑うと、紅が無言で見慣れた袋を取り出した。
おや、準備がいいことで。