第29章 女子会
***聴視点***
紅と紺兄がシンラくんの退院祝いを持って行って、しばらく。
マキちゃんとタマキちゃんから
「ランチしましょう!!」
という旨の連絡をもらい、休みを合わせた私は、第8の隊舎前に来ていた。
『あら~、これは…。もうちょっとどうにかならないのかな~…?』
まぁ、当人たちが放置しているなら、外野が口出しすべきじゃないんだろうけど。
…果たして放置しているのか、改修したくても時間がないのかは知らないが。
「聴さーん!」
「こんにちはー!」
目の前から、手を振りふりやってくる2人。うん、なごむね。
『2人とも、こんにちは。元気そうで良かった』
「お気遣いありがとうございます」
「わぁー!聴さん、洋服だ!すごく似合ってます!」
マキちゃんはお姉さんで、タマキちゃんはザ・女の子って感じだ。いいね。
『ありがとう。2人もよく似合ってるよ、可愛い』
普段とは全く違う華やかさに、女子会だなぁ、なんてしみじみと思った。
道中も3人でいろいろな話をしながら、1軒のレストランに入る。
「聴さんは、第6のホァン大隊長はご存知ですか?」
『たしか、能力者の治療なら彼女以上はいない、だっけ?』
質問してきたマキちゃんも、マキちゃんの隣に座ってるタマキちゃんも、首を縦に数回振った。