第23章 詰所の医者との手合わせ
シンラくんは理解できたけど納得できない、という顔をしている。
「もしや、第3世代が相手なら無敵…!?」
『さすがに無敵ではないよ。扱いきれない炎もあるからね』
アーサーくんは理解できる部分のみを理解したのか、キラキラとした目を向けてくる。
それに苦笑しながら訂正を入れた。
…さて、そろそろ紅と変わろうかな。
「「若ー!聴ー!」」
んんん…、気のせいかな、ヒカヒナの気配が近づいてくるような…。
「「組手見せやがれコノヤロー!」」
元気よく現れた双子に、私はあちゃー…、と額に手を当てる。
「…森羅、アーサー。少し見とけ。…おい、見稽古になる程度でやんぞ」
嘘でしょ、紅さん。ヒカヒナのお願い、断ってなかったの…?
「「本気でやれー!!」」
「あぁ?…そいつはまた今度だ」
今度があるの…?
戦々恐々としながらも、紅が構えたのを見て腹をくくった。
この後、シンラくんとアーサーくんから、それぞれ
「やっぱり常識が通用しねェ…」
「戦女神…」
と言われたのは気のせいだと思いたい。