第21章 幕間 その2
『へ?なんで?』
「あァ?組手に関しちゃ、てめェが姉弟子だろうが」
『何年前の話よ…。組手は紅が、アーサーくんの剣術については紺兄が、教えてあげれば十分なんじゃない~?』
5割が本心、3割がめんどくさい、残り2割が自由時間が減る、という理由で断ろうとした。
…が、私の本心なんて筒抜けなのか、紅の機嫌が急降下していく。
『あーもー、分かった、わかったから~…。でも紅が主軸で教えなよ~?…あぁ、せっかくだし、急ぎの用事がない時は鍛錬場を開けようか~?』
「!おう」
よし、回避成功。
ま、我が身可愛さを抜きにしても、忙しいわけでもないし、気分転換だと思いますかね…。
「「聴ー!」」
日課の散歩に繰り出していく紅を見送っていれば、腰に小さな衝撃を受けた。
『なに~?』
「「若と聴の組手見せろ!」」
『いやいや、シンラくんとアーサーくんの訓練が目的なんだよ~?』
「関係ねェ!」
「見せねェってんなら、イタズラすんぞ!」
『…紅がやるって言ったらねぇ~』
たぶんやるとしても軽いものだろうけど。
こうしちゃいられねェ!と紅の後を追っていくヒカヒナに苦笑したのだった。