第2章 帰郷そして再開
***聴視点***
『んで~?紅は~?』
「あぁ、若なら」
「紺炉!そっちはどうなった!?」
私が紺兄に問いかけたところで、紺兄が上を向いたので私もその視線を追う。
紅が纏から飛び降りてくるところだった。
「若!ご無事で!こっちはこいつのおかげでなんとか」
「見ての通り何ともねェよ。こいつ…?」
そこでようやく私が視界に入ったのか、紅が目を丸くする。
しかしそれも一瞬で、おもむろに私の頭にチョップを繰り返し始めた。
「あァ…?本物か…?」
『ちょ、紅、痛い~』
「…本物らしいな」
『納得したなら止めんか~い!』
延々と続けられていたチョップをハシッと手をつかむことで止めさせる。
紅はつかまれた手を引き抜くと
「よくもまぁ、おめおめと、帰ってこられたもんだなァ?」
と宣った。
『ま~、約束は約束だからね~。許してよ~』
「あァ?てめェ、約束を覚えてんのに帰ってきたってかァ?喧嘩売ってんのか?」
『売ってないよ~。相変わらず喧嘩っ早いなぁ…。紺兄で証明するからさ~、今日2人とも夜に時間ちょーだい?』
ニッコリと笑って見せると、2人から驚愕が伝わってくる。