第11章 ご退場願います
私はといえば思わず偽物のほうに感心していた。
いやはや、双子の、それもヒカの真似とは、よくやるもんだ…。
おや?アーサーくんは嫌そうな顔してる。
「こいつのどこがヒカゲに見えんだよ!?バカヤロかてめェ、コラァ!」
「てめェこそ何モンだ、コノヤロー!」
わいのわいのと喧嘩を続ける2人。
止めに入るタマキちゃんと、その他の面々。
そろそろ偽物を締め上げるか、と思ったところで、アーサーくんがヒカゲの偽物に飛び蹴りをお見舞いした。
わぁ、何で分かったの?
眼前ではアーサーくんがとどめとばかりに、ヒカゲの偽物を壁に投げつけている。
おぉ、と拍手をする私とは対極的に第8はアーサーくんを攻め立てた。
腐れ玉ねぎ騎士って…。笑える…。
「よく見ろ!どう見たって女装してる小さなおっさんだろ!」
うん、だから何で分かるの?
『プラズマ使いは脳波に敏感、とか?』
ありそう、と思いながらヒカゲの偽物に近づく。
私を見た紺兄は怪訝な顔をしながらも、私の後に続いた。
「「「えぇ??」」」
アーサーくんのセリフを聞いて第8がこっちを見るが、顔はまだヒカゲのままだ。
「目まで馬鹿なのかよ!」
タマキちゃんの言葉を皮切りに、第8がまた騒がしくなった。