第8章 隠密のち般若
***聴視点***
結論から言おう。
やっぱり黒だった。
いや、見た目は圧倒的に白だけど。
ちなみに、絶賛、隠れているところです。
どうにかこうにか会社に忍び込み、最近流行りの蟲を大量に見つけた。
できれば紙媒体の資料が欲しいな、と思ったあたりで複数の人の気配がして今に至る。
外が暗くなってきて、灯りの少ないここじゃ、まともに口元も読めない。
そろそろ帰りたいから、さっさとどっかに行ってくれないかな…。
内心、辟易していたけど、目の前で驚愕の出来事が起こって、そんな気持ちも吹っ飛んだ。
おぉ、どうやって顔を変えたのか気になってたけど…。
なんだ、顔を変えられる能力者がいるんだ。
ふむ、なるほど、むくみを利用してるっぽいな。
たしかに骨格やパーツが似ていれば…。
って、そんなこと言ってる場合か!
顔を変えようとしている人間の数と、並べられた蟲入りのビン。
んー、これは今夜中に事を起こそうとしてる気がする。
早く戻って報告したほうが良いね。
っとその前に…。へい、そこの顔だけは見覚えのあるお兄さん!ちょーっと失礼!