第7章 やぁ第8の諸君
紅が帰ってきた気配がしたので、玄関に顔を出す。
甘い物が苦手なくせに大福を食べているのを見て、そういうとこだよねぇ、とほっこりした。
『おかえり~、紅』
「おう」
『ここから見てたけど、派手だったねぇ~』
「…勘太郎は派手好きだったからな」
『そっか…。っと、そうだ、今から少し出るけど大丈夫~?』
「あァ?」
風呂敷をキュッと縛りなおしながら、こっちに顔を向けて睨んでくる紅。
『浅草内にちょっと気になる場所があってね~。調べてこようかと』
「!今からか?」
『うん、今から~。うちにはうちのやり方がある、でしょ?』
ニッと笑えば紅の表情が戻った。
「…第8の連中に知られるとめんどくせェ。…気をつけろ」
『あいよ~』
紅と一緒に外に出て、紅を待っていたであろう紺兄に手を振る。
「トビ共は修理を始めろ!勘太郎の弔いで家が壊れちまったやつは詰所に泊まってけ!!修復作業が終わるまで俺たちが面倒を見てやる!!」
いつも通りといえばいつも通りの紅の指示を聞きながら、第8の面々に目を向けた。
ふむ、うちの弔い方に嫌悪感は抱いてなさそう…。
おや、しかも修復作業を手伝ってくれそうだ。
これは良い方向に進みそうだ、と思いながら、作業に散っていく人並みに紛れてその場を離れたのだった。