第7章 やぁ第8の諸君
「伝導者は人工的に焔ビトを造り出している。次はここの町民がターゲットにされる可能性もありますよ」
んー、第8の大隊長の忠告はごもっともなんだけど…。
残念ながら、あなた方は皇国の人間だし、紅は聞かん坊だからなぁ…。
「それだって皇国の言ってることだろ?実際にその一味が人を焔ビトにしているところを、俺が見たわけじゃねェ」
やはりというかなんというか、紅は、話は終わりだとばかりに立ち上がって背を向け
「馬鹿正直に信じる気はねぇんだよ」
と言い放った。
「俺は実際に見ました!!伝道者と繋がる男が人を焔ビトにするところを!!」
「私も見ました!!」
えーと、記憶が正しければ、シンラくんとタマキちゃん、が食い下がる。
「皇国の犬が何を見たかなんて、こちとら知らねェんだよ。疑うことを知らねェ犬っコロの話なんざ聞きたくねェ」
「疑うだけ疑って何もしねェ奴には言われたくないね」
あらー、この子、紅に喧嘩売ったよ…。
案の定、紅は振り返ってシンラくんを視界に入れた。
「威勢がいいなクソガキ…」
「第8はいい教育してるじゃねェか」
もれなく紺兄にも火が付きかけてます。
あっはは、止めないぞ、私は。
「シンラ!ケンカしに来たわけじゃないんだぞ」
「ケンカですよ!!こうなったら!!」
向こうの大隊長が止めようとするも、シンラくんは止まらない。