第2章 帰郷そして再開
***紺炉視点***
『ありゃ~、随分な時に帰って来ちゃったかな~』
「!?」
周囲が騒がしいにも関わらず耳に飛び込んできた声に、俺は思わず振り返る。
『わぁ、やっぱり紺兄だ。久しぶり~』
「おめェ…、聴か…?」
『うん~』
どこまでものんびりとしたそいつは、10年ぶりに見る妹分。
見た目は最後に見たときと随分変わっちまってるが、中身はそのまんまのようだ。
「久しぶりじゃねェか!って、今はそれどころじゃねェ!」
思わず再開を喜びそうになって、危機的な状況だったことを思い出す。
俺の目の前では家がゴウゴウと燃えていた。
『まだ中に人がいるっぽいね~。退路を開けばなんとかしてくれる~?』
「!あ、あァ!」
てくてくと俺の横を通り過ぎながら告げられた言葉に、できるのか!?と疑問に思いはしたが、その瞳には迷いがなく、望みを託そうと思えた。
「おい嬢ちゃん、危ねェぞ!!」
「えッ!!?ゆーちゃん!?」
聴を知ってるやつと知らねェやつで反応は分かれたが、さらに場が騒然となる。
『兄ちゃんたち~、救助は任せたからね~』
他人任せなことを言いながらも、聴が火元に足を踏み入れた瞬間、行く手を阻んでいた炎の一部が、紫色の筒状の道に変わる。