• テキストサイズ

旗幟鮮明【炎炎ノ消防隊】

第2章 帰郷そして再開


***紺炉視点***

『ありゃ~、随分な時に帰って来ちゃったかな~』

「!?」

周囲が騒がしいにも関わらず耳に飛び込んできた声に、俺は思わず振り返る。

『わぁ、やっぱり紺兄だ。久しぶり~』

「おめェ…、聴か…?」

『うん~』

どこまでものんびりとしたそいつは、10年ぶりに見る妹分。

見た目は最後に見たときと随分変わっちまってるが、中身はそのまんまのようだ。

「久しぶりじゃねェか!って、今はそれどころじゃねェ!」

思わず再開を喜びそうになって、危機的な状況だったことを思い出す。

俺の目の前では家がゴウゴウと燃えていた。

『まだ中に人がいるっぽいね~。退路を開けばなんとかしてくれる~?』

「!あ、あァ!」

てくてくと俺の横を通り過ぎながら告げられた言葉に、できるのか!?と疑問に思いはしたが、その瞳には迷いがなく、望みを託そうと思えた。

「おい嬢ちゃん、危ねェぞ!!」
「えッ!!?ゆーちゃん!?」

聴を知ってるやつと知らねェやつで反応は分かれたが、さらに場が騒然となる。

『兄ちゃんたち~、救助は任せたからね~』

他人任せなことを言いながらも、聴が火元に足を踏み入れた瞬間、行く手を阻んでいた炎の一部が、紫色の筒状の道に変わる。
/ 146ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp