第6章 氷山の一角
2.他に偽物が紛れ込んでいないか。
1の目的によっては他にも偽物がいる可能性がある。
とはいえ、見つけるには骨が折れるだろう。
ここ数日で動き出したなら私の眼で判断できるが、私が帰ってくる前から潜伏していた場合、人海戦術であぶり出すしかない。
ついでに言えば、誰かに化けるのではなく、それとなく浅草に根を下ろしていることだって考えられる。
まぁこれは、帰ってきたばかりの私が口にすると殴られそうなので黙っておくが。
「っだあー、めんどくせェ…。聴、焔ビトの身元の割り出しは任せる」
『しゃーないか~』
「俺と紺炉で他に潜り込んでるやつがいねェか探す」
「若い衆にも手伝わせますかい?」
「場合によっちゃ考えねェとな…」
やれやれ、厄介なことになったもんだ。