• テキストサイズ

旗幟鮮明【炎炎ノ消防隊】

第6章 氷山の一角


***聴視点***

人払いを済ませてきた紺兄が腰を落ち着ける。

部屋の中には私と紅、紺兄の3人だけだ。

紅は不機嫌オーラ全開で、そんな紅を見て紺兄はやや困惑顔。

『とりあえず私が何してたかの報告ね』

そう前置きしたうえで、おじちゃん(偽)と会ってからここまでの経緯を説明した。

「なんでもっと早く言わねェ…」

『おじちゃんを保護してからでも遅くないかな~、と思っちゃったんだよねぇ~』

唸るように文句を言ってきた紅に苦笑を返す。

「若、ごもっともですが、今はこれからのことでしょう」

紺兄は口元に手を当て、いろいろな可能性を考えているように見えた。

紅は頭をガシガシとかき、めんどくさそうに中空に目を向ける。

そう、今回の騒動、意外と考えることが多いのだ。

1.おじちゃん(偽)がどこの誰で、なんのために成り代わっていたのか。

成り代われる、ということは、おじちゃんをそれなりに知っているということになるが、浅草でいなくなった人間はいない。

となると、おじちゃんを知っている外の人間か、浅草の誰かが外の人間を手引きし、おじちゃん(偽)を作り上げた、ということになる。

どっちにしても、何のために?という話だ。

前者の場合、燃えてしまったので、身元を判明させ、そこから考えるしかない。

後者の場合、手引きした人間を探し出し、絞め上げれば分かるはず。
/ 146ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp