• テキストサイズ

旗幟鮮明【炎炎ノ消防隊】

第6章 氷山の一角


というか今のやり取りで、事案臭が増した。

外の人間と協力してドッキリを仕掛けていた、という可能性も考慮してたけど、もしこれがそうだとしたら悪趣味が過ぎる。

『ねぇ、紅』

とりあえず2人きりで話せる場所に行こうと、紅の服の裾をつかんだ。

紅がこちらに顔を向けてくれた、までは良かったのだが

「あ、若!お話中すいやせん!向こうで喧嘩してる連中がいやがるんですが、俺たちだけじゃ止めきれねェ!手を貸してくだせェ!」

「ったく、めんどくせェ…」

これまた間の悪いことに、若い衆が紅を呼びに来た。

おいコラ紅さん、ちょっとテンション上げてんじゃねぇですよ。

っと、それはそれとして。

若い衆…あ、本物ですね。ということは、ちゃんと喧嘩が起こっていそうだ。

まぁ、偽物が喧嘩を起こしている、という線もあるのだが、それを言い出したらキリがない。

紅からお前はどうする?という視線が返ってきたため、逡巡した後、手を離す。

『…紅、気を付けて。いざって時は力を貸すから』

「あァ?喧嘩の仲裁ごときで、俺がどうこうなるかよ」

そういう意味で言ったんじゃないんだけどなぁ、と思いながら紅の後姿を見送った。
/ 146ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp