第5章 悪友
***聴視点***
私とジョーカーの出会いは…ちょっと、いや、うん、だいぶ特殊だった。
当時の私は、いろいろと都合が良いからと、男装して男として生活してた。
そんな折、人気のない薄暗い路地で、血を流して座り込んでる男を見つけて。
『おい、そこの死に損ない』
見るからに危ないと分かっていて、声をかけた。
まぁ、若気の至り、みたいなもんだ。
「あァ…?ガキが俺に何の用だ…」
『ガキって…大して変わんねェだろ…。ま、いい。自分の状態が分かんねェほどバカじゃねェよな?』
「…何が言いたい」
『俺の検体になる気はねェか?運が良ければ助かるぜ?』
…うん、黒歴史である。
いや、その…、その時は仮宿でのイビリにかなりイライラしてて…。
誰でもいいや、って気分になってたと言いますか…。
改めて思い返すと、通り魔殺人感がすごいな。
これで相手が死んでたら、まんまじゃん…。うわぁ…。
「ハッ、運ねぇ…。太陽神にでも祈れってか?」
『あァ?自分の悪運を太陽神に祈るのか?変わってるな、お前』
「!…くくっ、おい、どんくらいの運がありゃ助かる?」
『今から応急処置が終わるまでに、ここに誰も来なかったら勝ちだ』
「時間は?」
『15分ってとこだな』
「ハッ、運試しにもなりゃしねェ。…いいぜ、なってやろうじゃねェか、その検体とやらに」
お互い、あくどい笑みを浮かべていたと思う。
結果は、まぁ、ここにジョーカーがいる時点でお分かりいただけるだろう。