第5章 悪友
***ジョーカー視点***
『しかし、よくまぁ、同一人物だと分かったねぇ』
先ほどまでの空気を霧散させ、人懐こそうに寄ってきたミヤの頭に手を置く。
「俺も最初は半信半疑だったがな」
気が向くままに撫でてやれば、へにゃりと笑った。
小動物っぽいところは、あの頃のまんまだな。
手を下ろせばこちらを見上げたミヤが、そういえば、というような表情をする。
『改めまして~。私の名前は聴。まぁ、呼びやすいほうで呼んでよ』
そういや、こいつは聴と呼ばれてたか。
おそらくそっちが本名なんだろう。
「悪いが今更変えるのも面倒なんでな。ミヤで通させてもらうぜ」
『ん、了ー解。私はジョーカーって呼ぶね~。あ、話し方もあの頃に合わせようか~?』
「そっちはエンリョする」
『あはは~、そのほうが私も助かるよ~』
話すことは終わったとばかりに、ミヤがクルリと方向転換する。
『詰所のみんなには実家に行ってくるって言ったから、付き合ってよ~。話はまだ終わってないんでしょ~?』
俺の顔を見ることなく、すでに歩き出しているミヤに、俺の意思を確認する気はゼロだ。
実際のところ、話は済んでない。
仕方なく人目につかないようにミヤの後をつけた。