第53章 追及してくんなよ??
そうして、しばらく。
第6のは俺から手を放して、息をつく。
「何かわかったのかい?」
「アナタの炎は特別他の能力者の炎と変わりはないわ」
次いで語られる考察に、なるほどなと思った。
「カヨコさん、先ほど普通の炎と変わらないと言っていたが、炎に触れた印象で“アドラバースト”と普通の炎は何か違いますか?」
第5のからの質問に、第6のは手を見つめて、何かを思い出すような表情をする。
「どうかしたか?」
なんかあるのかと声をかけてみたが、首を横に振られた。
「いえ…。なんでもないわ。他の“アドラリンク”した者にも聞いて回りましょう。アーグ大隊長も聖痕(スティグマ)を受けた1人だったはず…。聞けば何かわかるかもしれない」
「聖痕がある俺は白装束に狙われた。あの大隊長は大丈夫なのか?」
まぁ、大隊長を務める人間が、そう簡単にやられるとは思えねェが。
「急ぎましょう」
第6のは、第5のにそう言うと、ふと聴に顔を向けた。